Te-Sera-Sera

はじめまして。てーはやといいます。このブログは国際協力業界で働きながら感じたことや、疑問に感じたことなど、国際協力に関するトピックを中心にしながら、様々な社会問題についても考えてもらうきっかけになればと思い始めました。ちなみにブログのTe-Sera-Seraという意味は、私のあだ名である「てーはや(Te-haya)」のTeと、「何とかなるさ」という意味の「Que Sera Sera」という意味を合わせたのが由来です。

自己責任っていう言葉ほど無責任な言葉ってないよねって話。

こんにちは。

てーはやです。

 

台風19号は温帯低気圧に変わりましたが、各地に甚大な被害をもたらす結果となってしまいました。あれだけ1週間前から「最強クラスの台風」といわれるだけのことはあった…。今日は、この台風の時にまで蝕んだ、「自己責任論」について考えていきましょう。

 

 

「自己責任」って言われるタイミングを考えてみた

私は、この「自己責任」という言葉は力や権力を持っている人が、自ら責任を取りたくないために使う非常に無責任な言葉であると思います。小さな自己責任論でいうと、「体調を崩すのは自己責任」とよく言われると思います。確かに、極寒の中半袖短パン(もしくはスカート)で街中を闊歩して風邪をひいたり、夜更かしした結果体調を崩す、というようなことは自己責任、で片付けられることが多いのではないでしょうか。

 

では、それをせざるを得ない環境になってしまった時、それは自己責任といえるのか?

上の一つ目の例で出した「寒い中半袖短パン(もしくはスカート)で街中を闊歩する」ことを上の人から強制されていたり、夜更かししなければならなかった理由が「上司から頼まれた仕事が終わらなくてせざるを得なかった」となると、これは自己責任といえるのでしょうか?

 

この無責任さは、自分が新卒で入社した会社でまざまざと感じました。

私が新卒で入社した会社では、月80時間残業するのはザラで、多い時にはひと月100時間残業していた時もありました。もはや厚生労働省が定める「過労死」レベルです。業務が訪問販売系ということもあり、1件もアポイントが取れないと居残りで営業トークを覚えないといけない、ロールプレイングをしないといけないという感じでした。また、アポイントが取れたら取れたで後日訪問する際の書類作成に追われ、結局は残業になるのです。

 

ある時、深夜1時まで作業をして翌日(もはやその日ですね(笑))9時に出社しなければならない、というのが1週間続いた気分が悪くなり、吐き気を催しました。病院によってから出社しようと考えて上司に電話をしたら「俺らは時間通り出社してるのに何でお前なんで遅刻してくんの?さぼんなよ!」と説教を食らう始末。「いや、さすがにああの時間まで残ってると…」と言おうとすると「それでも体調管理しなかったのは自己責任。そんなんで体調崩すって社会人失格」と、ついには烙印を押されてしまいました。

 

台風19号でも言われた「自己責任」

さておととい上陸し、甚大な被害をもたらした台風19号

この日経の記事が物議をかもしています(有料版でした)。

 

「もう堤防には頼れない」 国頼みの防災から転換を (写真=共同) :日本経済新聞

 

昨年の西日本豪雨を受けて開かれた中央防災会議で、行政主導の対策はハード・ソフト両面で限界があるから「自らの命は自ら守る意識を持つべきだ」と発想の転換を促した、というような報告がまとめられた、という内容の記事です。

 

確かにここ数年の災害規模は甚大なものであり、各々の意識改革が必要なことは言うまでもありません。しかしだからといって河川の氾濫の対策が限界だから、自分の身は自分で守ってね、仮に氾濫してもその時は自己責任でね、というのは話が通らないと思います。加えて、この記事の中にダムの建設をするのは「費用対効果」から慎重になるべきだ的なことが書かれていたのですが、この「費用対効果」という言葉に私は非常に違和感を覚えました。

 

いつから「自己責任論」という言葉が出てきだしたのか?

今ではすっかりおなじみとなった(?)自己責任論ですが、ではこれはいつごろから言われ始めたのでしょうか。色々とみている中で、多く記事が出ていたのは、2004年のイラク人質事件で日本人が人質になってからだそうです。文春の下の記事が結構まとまっていました。

bunshun.jp

 

責任を取りたがらない大人たち

この「自己責任論」は徐々に勢いを増し、ついにSNSでは「手取り14万円は自己責任」だったり「貧困は自己責任」などという暴論が日常茶飯事で流されるまでになりました。冒頭でもお伝えした通り、この「自己責任論」というのは、権力や力を持っている人の責任逃れのためのロジックにしかすぎないということをお話ししました。そういった力を持っている人は、その力を発揮する「権利」があると同時に「責任」も同時に生じると思います。その責任を自らがとることなく、自分より下の人たちにその責任を押し付け、権利のみを主張する人も増えてきました。うまいこと行けば自分の手柄になるし、悪いことや失敗したら全部下のせい。そんな人は上の立場につくべき人間ではないと思います。

 

役職がつくということはお金が増えると同時に責任も増えるということ。

役職ついてる人、カネもらってんだから責任くらいとりましょーや。

 

というところで今日はこの辺で。